天青

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天青

 大和郡山の小柳氏(大野養魚場)により作出された品種。関東東を累代繁殖させることによって東錦の赤色を抜いたとされています。始まりは1992年、品種として固定するまでに7年を要しております。赤色が無いだけの東錦ではなく、青い空のような色合いを持つのも特徴。

 青い金魚の作出は小柳氏が最初と言っても過言ではない。その後、天青をヒントに幾つかの「絣タイプ」が登場するようになりました。多くの愛好家が天青の市場への流通を待ち焦がれていましたが、2000年代初頭に流通することは殆んどなく、ベールに包まれた金魚となっていった。金魚雑誌で取り上げられることも少なく、愛好家レベルで鑑賞できたのは金魚サイト「空色の夢」の中で紹介されたレポ画像と限られた情報だったのである。

 画像の個体は2012年の観賞魚フェアと日本一大会の出展魚。やはり、こういった青系を前面に出す品種にとってベアタンクや純白のホーローの洗面器は不利と言える。青空の下、叩き池で優雅に泳ぐ姿が似合います。2012年に公開された大和郡山を舞台にした映画、「茜色の約束」の中では伝説の青い金魚がストーリーの鍵となっており、そこで登場する絵巻に「天青」と記されたことで、この品種を思い起した金魚ファンは少なくないと思われる。

□ 金魚サーチ